民事信託:
民事信託とは、委託者が受託者に対して、所有権を移転し、受託者は委託者から指定された信託目的に従って、受益者のためにその財産の管理・処分を行うことをいいます。
信受託者と委託者との信頼関係を前提として、信託契約により、委託者の財産を受託者に移転し、受託者が信託財産の名義人となります。
受託者は信託目的に拘束され、信託財産を管理・処分には受益者の利益を最優先する責務を負います。
民事信託は信託業法の適用がなく、受託者は自然人または法人を問いません。
信託の受託者が限定された特定の者を相手として、営利を目的とせず、継続反復ではなく、1回だけ引き受ける信託です。
個人または中小企業の経営者の意図を実現するため、委託者と受託者の間で信託の利点を生かす独自の信託契約を締結し、贈与や遺言、成年後見制度では対応できないニーズに対応することができます。
※言葉の説明
委託者とは財産の所有者のことです。
受託者とは信託財産を管理処分する方のことです。
受益者とは利益を受ける方のことです。
信託財産とは委託者から移転された財産のことです。
信託登記
委託者が不動産所有権を受託者に対し信託する場合、委託者と受託者の「所有権移転登記」をします。
受益者の保護、信託財産及び受託者と取引をする第三者の保護のため、信託財産である旨および信託の内容を公示する「信託の登記」を第三者対抗要件としています。